必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法④

補助金申請書をどのよう書いたら採択されるのかについては、わたしの『採択される補助金申請書の書き方: 小さな会社の補助金活用法』をご参照ください。この本では、「採択されるには、「社長の思いや自社の課題」というテーマを公募要領に合わせて加工する必要があります。そして、加工する時には、2つのことを意識しなければいけません。それは、審査基準を踏まえることと、隠れた「問い」を意識するということです。」と書いています。

これを踏まえて「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書の作り方について考えています。審査項目の「1.適格性」については、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法①でご説明しました。また「2.技術面」の革新性について、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法②で「革新的サービス」と「ものづくり技術」について、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法③で「高度生産性向上型」という類型について確認しました。今回は、残りの審査項目について確認します。

審査項目の確認

(2)技術面(続き)

② サービス・試作品等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。(【公募要領】)

②については、KPI の設定が求められています。KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)とは、補助事業の目標達成の度合いを何で測定するのか、その測定基準のことです。「革新的サービス」では、「革新的なサービスの創出サービス提供プロセスの改善であり、3~5年計画で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上(【公募要領】」が求められています。

「「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上」はKPIそのものですね。その他に、明確になった課題がどのていど解決できたのかを測定するために、評価指標を設定する必要があります。KPIには、データを取得可能なもので、補助事業との関係が明確なものを設定しましょう。

「革新的サービス」における補助事業の実施方法は、「中小サービス事業者の生産性の向上のためのガイドライン」に示されたいずれかの方法で行う必要がありますので、KPI には「生産性」を必ず含めましょう。

「ものづくり技術」では、「革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させる計画(3~5年計画で「付加価値額」及び「経常利益」の増大を達成する計画)(【公募要領】)」が求められます。「生産性向上」と明示されていますので、生産性に関するKPIを設定しましょう。

生産性とは

生産性とは、投入した資金・人員・原材料などのインプットに対して、どれだけのアウトプットを獲得したかを示す指標です。アウトプットには付加価値額を用いれば良いでしょう。インプットに従業員数を用いれば、労働生産性というKPIを設定できます。

KPI:労働生産性=付加価値額/従業員数

あるいは、この式を次のように分解すれば

労働生産性=(売上高/従業員数)×(付加価値額/売上高)=従業員一人あたり売上高×付加価値率

「従業員一人あたり売上高」や「付加価値率」というKPIを導けます。また、次のように分解することもできます。

労働生産性=(有形固定資産/従業員数)×(付加価値額/有形固定資産)=資本装備率×資本生産性

この式からは、「資本装備率」や「資本生産性」という生産の合理化度合いを示す指標が得られます。

さらに、次のようにも分解できます。

労働生産性=(人件費/従業員数)÷(人件費/付加価値額)=従業員一人あたり人件費×労働分配率

「従業員一人あたり人件費」や「労働分配率」という指標は、その他の審査項目に「賃上げ等の実施状況」がありますが、それの根拠に使えますね。

補助金を有効活用するため

以下の記事もご参照ください。

やるべきコトが明確ですか? → 採択される補助金申請書の書き方①

公募要領を確認しましたか? → 採択される補助金申請書の書き方②

やりたいことを補助金にマッチさせる → 採択される補助金申請書の書き方③

3C分析はやりましょう → 採択される補助金申請書の書き方④

何度応募しても落とされる場合の対処法 → 採択される補助金申請書の書き方⑤

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