良い会社にする5つの方法(その4)

「良い会社にする5つの方法」の続きです。

良い会社にする5つの方法(その1) →?公募助成金を活用する
良い会社にする5つの方法(その2) →?認定を受ける
良い会社にする5つの方法(その3) → 事業計画をつくる

4つの目の方法をお話しします。

4.CSRに取り組む

CSRについては、以前に「CSRとは何か?」という記事で、弁護士法人飛翔法律事務所が出版された「企業力UP 優れたCSRのつくり方」という本を紹介しました。

CSR、つまり、企業の社会的貢献ということですが、「大企業がやることで、中小企業には関係ない」とお考えの社長様も多いかも知れません。

でも、上記の本で紹介されているように、CSRとは、次の3条件を満たす活動です。

  1. 自発性の要件:企業が市民社会からの要請に自発的にこたえているか
  2. 応分負担の要件:企業規模や企業の特性を踏まえた応分の負担をしているか
  3. 利益最大化の要件:企業利益の最大化を図りながら社会に貢献する活動をしているか
    (出所:「企業力UP 優れたCSRのつくり方」

特に注目すべきは、「2.応分負担の要件」と「3.利益最大化の要件」です。

「応分負担の要件」とは、「企業規模や事業特性にあった活動をしましょう」と言うことです。ですから、

ちいさい企業は小さな活動で十分。しかも、本業を活かした活動が望ましい。

ということになれば、社長様の考え次第で自由に活動できるちいさな企業の方が、工夫の余地も大きく、楽しく取り組めるのではないでしょうか。

また、「社会貢献活動」というと、慈善活動をイメージしますが、必ずしも同じものではありません。それは、上記の要件3に示されています。つまり「3.利益最大化の要件」です。

「CSRで儲ける」というほど直接的なものではありませんが、「2.応分負担の要件」を満たす活動であれば、必然的に「3.利益最大化の要件」をも満たすのではないでしょうか。

「応分負担」ですから、無理をせず、長続きする活動をすべきです。「去年は利益が出たからやったが、今年は赤字なのでやらない」こういう活動では不十分ということです。そのためには、持続的に利益の出る経営を行わなければなりません。

「卵が先か鶏が先か」のような議論になりますが、「CSRをやる」ということは、「安定した経営をめざす」ということにつながります。その結果、ゴーイングコンサーンたる企業として長期的に利益を出し続けることができ「利益最大化」が実現する。

CSR活動を行うことは、こうした結果につながるのです。否、そのような結果を導くような活動を行うべきなのです。

re・makeさんの事例を簡単にご紹介しましょう。

ゆらぎスタイル

箕面市特産の希少な「実生ゆず」が、果汁だけ利用され、ワタ(皮と実の間のやわらかい部分)や皮やタネなどが廃棄されていることを知った岡山社長が、廃棄されているワタや皮やタネを活用した化粧品を開発しました。

量産化するには、もともと希少なゆずから原料となるワタやタネを大切に丁寧に回収しなければなりません。なかなか根気のいる作業です。社長や社員でやるのですが、ゆずの収穫時期には手が足りません。

そこで、地元の障がい者団体にお願いしてやってもらったところ、とても喜んで作業に取り組んでもらえることがわかったのです。

ゆずの製品開発・販売を通じて、新たな障がい者の雇用の場をつくれると確信した岡山社長は、障がい者でも安全に作業できる蒸留機を共同開発するなどして、職場環境を整備し、障がい者の雇用につなげています。

本業に組み込まれた活動ですが、ちいさな企業のCSR活動として評価できると思います。

あなたの会社がちいさな企業であればこそ、ちょっとした工夫と実行力で、ユニークなCSRができるはずです。そして、それはあなたの会社を確実に良くします。

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