ブランケネーゼの東社長と大阪市立大学大学院創造都市研究科主催の
「コンテンツと地域再生2」というシンポジウムに参加しました。
これは島根県の「石州半紙(せきしゅうばんし)」が
世界無形遺産(ユネスコ無形文化遺産)に登録されたのを記念して、
石州和紙協同組合との共催で開かれたものです。
豊能地域にも、大阪の地域資源を代表する「能勢の浄瑠璃」という、
国の重要無形文化財に指定されている「無形遺産」があります。
「地域資源の活用」をうたう「おおさか地域創造ファンド事業」では
是非とも活用したい資源として、ファンド事業スタート時点から
積極的にアプローチを続けていますが、ファンド採択事業としては、
この地域資源を活用した事業は生まれていません。
もっとも、素浄瑠璃として200年の歴史をもつ「能勢の浄瑠璃」を母体として、
これに人形を加えた「能勢人形浄瑠璃 鹿角座」を、町が中心となって立ち上げ、
支援しているのは、無形遺産の素晴らしい活用事例といえます。
今回のシンポジウムでは、地域の無形遺産(石州和紙)を
活用した「ものづくり」の事例が紹介されました。
一つは、マンガ家であり大阪芸術大学キャラクター造形学科教授でもある
里中満智子先生のマンガと石州和紙のコラボレーション作品です。
里中先生の歴史をテーマとしたマンガと
数百年ももつという和紙とのマッチングは興味深いですね。
石州和紙は、樹皮を多く含むので色が黒っぽいそうです。
しかし、10年、15年と年数が経つにつれて白くなるそうです。
もう一つは、地元の酒造メーカーによる島根県産山田錦純米大吟醸に
里中先生デザインの石州半紙製ラベルを貼った日本酒(限定100本)です。
限定100本ですので、将来プレミアがつくかも?
当初、この日本酒を入れるケースを、「豊能地域のファンド採択事業との
コラボレーションで」というお話しもあったのですが、
これは残念ながら実現しませんでした。
古来日本では和紙は様々な用途で使われて来たそうですので、
現在の技術を活用した「先祖返り」に着目すれば、
さらに様々な産業・業種との連携(コラボレーション)の可能性が広がると感じました。
シンポジウム後、シンポジウムの講師も務められた石州紙・西田和紙工房代表の
西田誠吉(にしだせいぎ)氏から和紙や紙について詳しくお話しを聞くことができました。
本当に、何でもよくご存じでした。
ファンド採択事業に関連して「繊維」に興味をお持ちの、
同席した東社長は紙繊維について盛んに質問されていました。
豊能地域にも多くの無形資産があります。
こうした無形資産を活用した新しいビジネスを考えるヒントを
たくさんいただくことができた有意義なシンポジウムでした。