電子書籍が売れない訳

片づけ本は累計300万部

今から5年前、2010年12月末に出版された近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)は、出版直後に著者がテレビ番組に数多く出演するなどしたこともあり、2011年には100万部を超すベストセラーとなりました。英語、イタリア語、フランス語にも翻訳され、海外でもベストセラーになっているようです。シリーズ累計300万部。2015年には、米「TIME」誌の「最も影響力のある100人」に選出されています。一般人が本を1冊出版したことで、その人生が劇的に変わった最近の事例です。

ここまでの成功例は滅多にありませんが、本を出版することにはこのような大きな力があります。わたしが電子出版プロデューサーであるエストリビューターとして、電子書籍出版支援をおこなっているのも、このように力をもつ出版を通じて、あなたやあなたの会社のがさらなる発展のお役に立つためです。

「電子書籍が売れない」という声

世の中にはさまざまな考えの方がいらっしゃいます。電子書籍についても、否定的な見解をお持ちの方も多いです。どのような事柄にも、よい面、悪い面は必ずあるものです。よい面に着目して活用することが大切なのではないでしょうか。電子書籍に対する否定的な意見のひとつに「電子書籍を出したが、全然売れない」があります。

キンドルダイレクトパブリッシング(KDP)サービスを利用すれば、だれでも手軽に電子出版できるようになったので、多くの方が電子書籍を出しました。しかし、「売れない」という声がたくさんあるようです。「ほったらかしでも月収100万円」などという情報商材の広告がありますが、まさか、そのような夢を見ていたのでしょうか。

電子書籍を出版することは、スマートフォン向けのコンテンツビジネスに参入することと同じです。いくらAmazonがあなたの電子書籍のマーケティングを支援してくれるとはいっても、あなたが何もせずに「ほったらかしで」売れるわけがありません。いや、「ほったらかしで10,000部」売れるわけがない、が正確です。ジャンルやタイトルや本の内容にもよりますが、数十部や数百部なら、「ほったらかし」でも売れます。しかし、10,000部となると、出版する側のそれなりの正しい努力が必要です。

「いいもの」だから売れるという誤解

これは別に電子書籍に限った話ではありません。苦労して開発した新製品が売れない。新サービスが売れない。コンサルティングで多くいただくご相談です。「こんなに便利なのに売れない」「良さをわかってもらえない」という愚痴から始まり、挙げ句の果てには「消費者の意識が低い」「意識が変わらない」とお客様が悪いかのような話が出ていきます。「いいもの」を作れば自然と売れるというつくる側の先入観から抜けることはこれほどに難しいのです。

電子書籍も同じです。「いい内容の本」だから売れるという訳でもありません。製品やサービスを開発する前に、お客様のことを十分に知っておく必要があるのです。そういう努力もせずに、自分の書きたいこと、いいたいことだけを書いた本を「いい内容の本」だと錯覚して、お金を払って買ってください、は虫のいい話です。

とはいえ、せっかく出版した電子書籍。ひとりでも多くの方に読んでいただきたい、ノウハウを利用いただきたいと思うのは人情です。というわけで、電子書籍を大量に売る方法を、また別の機会のご紹介したい思います。

売れる本作りをお手伝いします

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