POD本を注文してみた
電子書籍とPOD本を比べてみるために、Amazonで両方注文してみました。使用したタイトルは、わたしたちエストリビューターの仕事を紹介した初めての本『電子出版のプロデューサーになろう エストリビューターとして活躍する方法』です。Kindle版は540円、POD本は864円です。Kindle版は電子書籍ですから、購入と同時にダウンロードして、すぐに読めます。
一方、POD本は通常の紙の本と同じです。注文してから二三日後に、新本と同じ包装でAmazonから届きました。表紙はしっかりした紙で、無線綴じくるみ製本で仕上げられており、製本の状態も良好です。本文52ページ、厚さは約4mmです。背文字はありません。POD本には、ISBN番号が付けられています。
表紙の見え方
表紙は、電子の購入を左右する一つの大きなファクターです。電子書籍の場合は、その重要度はさらに大きくなります。さて、いくつかのデバイスで見た電子書籍の表紙と、POD本を比べてみましょう。電子書籍もPOD本も同じ表紙が利用されていることがわかります。両者に違いはありません。
iPhoneのキンドルアプリ(640×1136)を1/5に縮小 |
Android端末(nexus7(2013))のキンドルアプリ(1200×1920)を1/5に縮小 |
Kindle for PC(592×800)を3/8に縮小 |
nexus7(2013)と並べて置いたPOD本 |
本文の見え方
次に本文の見え方を比べてみましょう。今度は、端末ごとに見え方が異なります。見にくい画像で申し訳ありあせんが、画面が小さいiPhoneでは、1ページ目は二段落の途中までです。また、これも文字の表示サイズなどを変更することで、変わってきます。このように、画面の大きさや文字サイズに合わせて行の折り返しの位置が変わり、全体のページ数も変わる形式を「リフロー」といいます。文字中心の一般の書籍は、「リフロー」で作成することで、どのようなデバイスでも読むことができます。
これに対してPOD本は印刷しますから、当然「リフロー」ではありません。「固定レイアウト」です。電子書籍でも、コミックなどは「固定レイアウト」で作られます。
iPhoneのキンドルアプリ(640×1136)を1/5に縮小 |
Android端末(nexus7(2013))のキンドルアプリ(1200×1920)を1/5に縮小 |
Kindle for PC(592×800)を3/8に縮小 |
nexus7(2013)と並べて置いたPOD本 |
日本のAmazonのPOD本はカラーではありません
同じAmazonでも、アメリカではPOD本もフルカラーで印刷可能ですが、なぜか日本では表紙以外はカラー印刷に対応していません。比較してみましょう。書籍の内容によりますが、文章中心の本であれば、モノクロ印刷でもそれほど大きな問題はないように思います。
Android端末(nexus7(2013))のキンドルアプリ(1200×1920)を1/5に縮小 |
POD本 |
以上、いくつかの観点から電子書籍とPOD本を比べてみました。POD本の場合には、一般の本に近い価格になりますので、商業出版とダイレクトパブリッシングとの中間の位置づけでしょうか。出版社が、電子書籍とPODをセットで出版するような場合には有効だと思います。しかし、POD本を出版するには、必ず出版社を通さないといけません。どうしても「紙の本が欲しい」という読者側の強いニーズがない限り、ビジネスインディーズ作家のセルフパブリッシングで電子書籍に加えてPOD本を出す意義は少ないように感じました。
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