PEST分析

この記事は、「強み経営シリーズ」第二弾『小さな会社の経営計画』として出版することを前提に書いています。この経緯については

次の著作の執筆を開始します
書籍を執筆する前に決めておくべきこと

をお読みください。

PEST分析

「最初に、あなたの事業を取り巻く状況を分析しましょう。たとえば、少子高齢化とか円安とか、そういったことがあなたの事業にどのような影響を与えますか?」

これが外部環境分析ですが、こう言われても、どういう観点から考えたらよいか思いつきにくいと思います。そこで、一般的に検討すべき4つの要因の頭文字がPESTです。政策的・法律的要因(Politics)、経済的要因(Economics)、社会的要因(Social)、技術的要因(Technology)の4つです。

それぞれの要因における観点と具体例を挙げておきます。具体例はイメージしやすいように例示したものですから、あなたのドメインに合わせて、考えてみてください。

PEST分析の具体例

ドメインを「介護事業者」として分析すれば、介護報酬改定は、引き下げであればマイナスのインパクトですし、引き上げであればプラスのインパクトですね。原油安によるガソリン価格の低下は、燃料費の削減につながるでしょうからプラスのインパクト、地価下落は、賃貸物件で営業しているのであれば賃料減額の可能性がありプラスのインパクト、高齢化は介護人口の増加という観点からはプラスのインパクト、少子化は介護職員の確保困難という観点からはマイナスのインパクトになると考えられます。ロボットそのものではないですが、パワーアシスト機器は、介護者の身体負担軽減に役立ちます。うまく活用すればプラスのインパクトでしょうか。

また、東京オリンピックと地価上昇やインバウンドなど相互に関連するものもあります。このように考えれば、例には書いていませんが、「建築費の高騰」や「建築業における職人不足」なども思い浮かぶかも知れません。

少子高齢化は、長期的にほぼ確定しているトレンドですが、円高・円安や原油価格の1年後の動きは不確定な部分が大きいです。これらは専門家でも予測が難しいですから、今のトレンドが続けば、あなたのビジネスにプラス? それともマイナス? トレンドが反転すれば、プラス? マイナス? という程度で検討すれば十分です。

この分析方法自体が、正確性や客観性を保証するものではありませんし、これが正しい分析という「正解」もありません。中長期的にあなたのビジネスにインパクトを与えそうな外部環境は何かを考えるツールとして利用してください。

この記事の内容は、『自分で書ける「小規模事業者持続化補助金」の「経営計画」(強み経営シリーズ2): 小さな会社の経営計画』として、12月20日に出版しました。

自分で書ける「小規模事業者持続化補助金」の「経営計画」(強み経営シリーズ2): 小さな会社の経営計画