この記事は、「強み経営シリーズ」第二弾『小さな会社の経営計画』として出版することを前提に書いています。この経緯については
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⇒ 書籍を執筆する前に決めておくべきこと
をお読みください。
小さな会社の経営者の悩みや不安
外部環境面では構造変化への対応を迫られ、内部資源においては事業承継に伴う課題解決が必要な小さな会社の状況を概観しました。こうした状況に直面している小さな会社の経営者は、どのようなことに悩み、どんな不安をかかえているのでしょうか?
ある商工会で開催された「経営計画書作成セミナー」にご参加いただいた皆さまの生の声をいくつかご紹介します。なお、セミナー参加者は、事業承継をした、あるいは間もなくする予定の若手経営者です。
- 今後の方向性を決めるのは非常に難しい。自社の業界も先が分からないと思っている同業者も多いはずである。―店では無理でも、業界全体で取り組めるように考えたい。
- 既存の商品・サービスを継続しながら、新規事業をしたいと思うが、どっちつかずにならないかも心配である。
- 既存客のリピートを確保しながら新規顧客を増やしたい。出来ればネットを利用して、県外や全国のお客様をターゲットにした商品・サービスを作りたい。
- 新規事業はしたいことがたくさんあるが、今の事業と全く違うことは危険ではないか不安である。
- お客様に対して、感動を与えられるサービスはどう工夫したらよいかわからない。
この他にも、「はじめに」でも書きましたが、次のような悩みや不安もよくお聞きします。
- 「小規模事業者持続化補助金」を活用したいが、そのためには補助金申請書にある「経営計画」を作成しなければいけない。これに何をどう書いたらよいかがわからない。
- 既存顧客の高齢化が進み、徐々に売上が落ちている。家業でいつまで食べていけるか心配である。
- 自分が経営を引き継いだ後も、父親のやり方のままでよいのか。自分なりに新たなことにチャレンジしたい。しかしそれが成功するか確信がもてず、やるべきか迷っている。また、失敗した時のことを考えると恐ろしい。
- 新規顧客を獲得するにはどうしたらよいか。ホームページを活用して、地域外の人にも販売したいが、なかなか上手くいかない。
この他にも、先ほどご説明した構造変化が事業承継にも影響しています。「小規模企業白書」によると、現経営者の66%が厳しい経営環境下で事業を子供などに引き継がせることに躊躇(ちゅうちょ)しているのです。また、39%は、後継者の経営能力に不安があると答えています。
こうした悩みや不安の原因はなんでしょうか? それは「だれに相談したらよいかわからない」とか「専門家に相談したいが費用が高い」などの理由で「相談する相手がいないから」ではないでしょうか?
では、経営計画を作成したらこれら悩みや不安は解消するのか?答えは「イエス」です。
この記事の内容は、『自分で書ける「小規模事業者持続化補助金」の「経営計画」(強み経営シリーズ2): 小さな会社の経営計画』として、12月20日に出版しました。