この記事は、「強み経営シリーズ」第二弾『小さな会社の経営計画』として出版することを前提に書いています。この経緯については
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なぜ経営計画を作成しないのか
このように経営計画を作成することには、さまざまなメリットがあります。しかし、あなたは経営計画を作成したことがありますか? おそらく「ない」とお答えになる方が多いのではないでしょうか。これはあなただけではなく、経営計画をこれまで作成したことのない経営者が多いと思います。
「小規模事業者持続化補助金」では、応募申請書に経営計画が含まれています。そこでこの補助金に採択された5,266社に、これまで経営計画を作成したことがあるか質問したところ、約6割にあたる59.4%が「今回の補助金の申請にあたって初めて作成した」と回答しています。半数以上の会社がこれまで経営計画を作成したことがないのです。なぜ、経営計画を作成していないのでしょうか。もしあなたが作成した経験がないとすれば、なぜ作成しないのですか?
おそらく、作成する必要性を感じなかった、という回答が多いのではないでしょうか。商売が日々まわっている状況では、経営計画を作成する必要性を感じることはほとんどないというのが実情だと思います。「経営計画がなくてもビジネスはまわる」のです。
一方「決算書を作っていますか?」と質問すれば、全員が作っているとお答えになるはずです。株式会社はその大小に関わらず会社法で計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)の作成が義務づけられています。個人事業者であっても、確定申告時に収支内訳書(損益計算書)の作成が最低限必要です。青色申告決算書で損益計算書と貸借対照表を作成している方が多いと思います。
経営計画には、決算書と違い、作成や提出を義務づけるものがありません。決まった書式というものもありません。ですから、「どうしても」という必要に迫られない限り、作成しないのです。
ではどんな場合に経営計画を作成する必要に迫られるのでしょうか。経営計画を作ったことがある方は、どのような場合に作られたのでしょうか?
経営計画が求められる一番ありそうな状況は、「お金を借りるとき」です。銀行からお金を借りる場合には、経営計画を求められる場合が多いでしょう。その次にありそうな状況が、補助金を申請する場合です。「小規模事業者持続化補助金」を申請する際にも経営計画の作成が必要です。
小さな会社の多くの経営者にとっては、経営計画は、お金を借りたり、補助金に申請したりする際、必要に迫られて作成するものなのです。しかし、それだけではもったいないです。補助金をきっかけに経営計画を初めて作成した方が、経営計画を作成したことで意識が変わったと答えています。その内容は、「経営計画をつくるメリット」で示したとおりです。
あなたも経営計画に興味があって、あるいは必要に迫られてかも知れませんが、せっかく本書をお読みになるのですから、これから一緒に経営計画を作っていきましょう。
この記事の内容は、『自分で書ける「小規模事業者持続化補助金」の「経営計画」(強み経営シリーズ2): 小さな会社の経営計画』として、12月20日に出版しました。