この記事は、強み経営シリーズの第3作として出版することを前提に書いています。
決算書って、何のためにつくるのですか?
決 算書は、税金の申告をするために不可欠です。また、金融機関に融資を申し込む際や補助金の申請を行う際にも必要です。決算書を作成していないと、税務申告 もできませんし、融資を申し込むこともできません。このように、「外部関係者(税務署や金融機関)から求められるから決算書を作成している」という場合がほとんどだ と思います。つまり「決算書は外部関係者に報告するためにつくる」ということです。
こんな場面を想像してください。あなたの会社は、今期は 絶好調でした。大幅な黒字です。でも、あなたにはひとつ気がかりなことがあります。それは、「来期は税金をたくさん払わないといけないですね」という税理 士の一言です。消費税は別ですが、税金は「利益」にかかります。「利益」とは「売上(収益)」から「費用」を引いた残りです。「利益」が増えると、税金も 増えますね。
税金はできるだけ払いたくない。これは多くの方の人情でしょう。そこで、「利益」を少なくするために、「売上」を隠したり「費用」を水増ししたりする方があります。
あるいはこんな場面を想像してください。あなたの会社は、前期は赤字でした。今期もがんばったのですが、黒字になりそうにありません。二期連続赤字だと、金融機関からお金を貸してもらいにくい。そこで、今期はなんとしてでも黒字にするために、「売上」を水増しする。
税 金を少なくするためには「利益」を減らしたい。融資を有利に受けるためには「利益」を増やしたい。あちらを立てればこちらが立たず。そこで、税務署用と金 融機関用に二種類の決算書をつくる方もあるようです。しかし、どちらの決算書も正しい内容ではないので、経営の実態がわかりません。そこで、社長用にもう ひとつ決算書をつくる。おやおや、たいへんですね。
ところで、あなたは、決算書を何のためにつくりますか?