私は、おおさか地域創造ファンドの豊能地域コーディネーターとして、
新規事業の立ち上げ支援にこの8年間、携わっています。
助成金を支給して支援した事業、支援している事業だけでも39になります。
新たな事業の立ち上げを支援する助成金ですので、
創業の場合を除き、中小企業における新規事業開発です。
支援した業種は、製造業にとどまらず、卸売業・小売業・サービス業、さらには農業関連の事業もあります。
また、営利事業だけでなく非営利の事業も含まれています。
お陰様で、多様なビジネス形態における新規事業開発の推移をたくさん知ることができました。
もちろん、成功した事業もあれば、失敗した事業もあります。
新規事業が成功する要因も失敗に帰する要因も千差万別です。
しかし、あることに着目すると、「なぜ成功しているのか」「なぜ失敗したのか」について、ある程度納得いくストーリーが語れることに気づきました。
数年前のことです。
これは、長年数多くの新規事業を支援してきた経験から得られた経営に関する私なりの一つの仮説です。
でもそのいわんとするところは、実は何の変哲もない、従来から普通にいわれている「定説」でもあります。
少し話は飛びますが、、船井総研創立者である今は亡き船井幸雄先生のセミナーを
20歳代後半から30歳代前半にかけて私はたくさん受講しました。
当時、船井幸雄先生は、我々受講生に対して、いつもいつも、経営のコツを単純明快な言葉で伝えてくださいました。
いまでもそれらの言葉を大切にしていますが、その中の一つに「長所伸展」があります。
人にも、会社にも、良いところ、すなわち長所も、悪いところ、つまり短所も、必ず両方ある。
しかし、短所は直らない。短所を指摘すればするほど、悪くなる。
そうではなくて、長所、得意なことを徹底的に伸ばすべきである。
そうすれば、その長所により短所を十分にカバーできる。
長所を伸ばすこと、これにのみ、集中すべきである。
私は、長所伸展をこのように理解しています。
さて、数年前に私が気づいたことは、まさにこのことです。
新規事業が「なぜ成功しているのか」、「なぜ失敗したのか」について、
その会社の「長所」という観点から分析してみると、ある一定の傾向が読み取れるのです。
その内容については、次回にお話しします。