良い会社にする5つの方法(その3)

「良い会社にする5つの方法」の続きです。

?良い会社にする5つの方法(その1) →?公募助成金を活用する
良い会社にする5つの方法(その2) →?認定を受ける

3つの目の方法をお話しします。

3.事業計画(経営戦略)をつくる

事業計画と経営戦略は本来別物です。というか、経営戦略を実現するための詳細計画が事業計画です。

ここで、経営戦略というのは、「誰に、何を、どのように」を中核として、自社の進むべき方向性を考えることですね。「ビジネスモデルを考える」と言い換えてもいいでしょう。経営戦略というと何だか大層な話に聞こえますので、事業計画をつくるとしました。

ただ、事業計画は、上にも書いたように経営戦略があってのものです。そして、その経営戦略は普段は余り意識されていないと思います。

事業計画を拝見すると、単に予想損益計算書にすぎないものがあります。

売上高が一定の割合で増加し、それにともなって原価が一定の割合で計上されて、利益が安定的に増加するような内容になっています。

もちろんそうなることを見込んで日々経営に取り組まれているのでしょうが、社長が「そうなる」とお考えの根拠を盛り込む必要があります。

具体的にいうと、「なぜ売上高が増えるのですか?」に対する明確な根拠を示してください、ということです。そのためには、市場環境の現状や将来予測、競合他社に対してどのような違いを打ち出すのか、その違いを社長の会社は実行できて、ライバル社ができない理由は何か、など盛り込むことがいろいろ出てきます。

枚数が多いことで事業計画の価値が決まるわけではありませんが、読み手が「なぜ?」「どうして?」と思いそうなことを、しっかり考えて、それを分かりやすく説明しようとすれば、それなりのボリュームになるはずです。

事業計画のフォーマットを気にされる方もありますが、社長の会社がどのような考えに基づき、どのような方向に進もうとしているのか、これが説得力あるように書かれていて、それが、来期以降の売上高や利益、資産や負債の数値で裏付けられていれば、十分です。

あまり形式にとらわれずに、社長の思いを書いてみましょう。

ただ、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということでは、読む人が理解できませんので、原因と結果の因果関係をしっかりとつなぐことがポイントです。

前回、「経営革新計画をつくって、知事の認定を受けることで会社を良くしよう」というお話しをしましたが、経営革新計画とここでいう事業計画とはどう違うのでしょうか。

経営革新計画も事業計画なので、大差ないのですが、あえて違いを挙げるとすれば

  1. 経営革新計画は一定のフォーム(様式)があるが、事業計画は定まったフォームがない。
  2. 経営革新計画は、「新たな取り組み」を対象とするが、事業計画はそれにとらわれない。これまでの事業(戦略)を見直すことに役立つ。

こんなところが違うでしょうか。

新たな取り組みをする場合は、経営革新計画を作成する、既存事業を見直す場合は、事業計画を作成する、ざっくりこんな感じです。

しっかりした事業計画をつくり、それを銀行に提出すると、それだけで、銀行の評価が変わることがありますから、取り組む意義は大きいです。

事業計画を作成して、良い会社にしましょう。

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