補助金を上手に活用して、新規事業を軌道に乗せた会社の事例を紹介しています。
経営資源が非常に限られているちいさな企業における新規事業のあり方には、大きく二つの方向性があります。
一つは従来とは、技術やノウハウ、市場が異なる、言葉通りの「新規」事業。もう一つは、技術・ノウハウか市場か、少なくともどちらかは既知の事業。
経営学の用語でいえば、前者が無関連多角化、後者が関連多角化ですね。
私が担当している地域資源活用する新規事業を支援する助成金(おおさか地域創造ファンド 地域支援事業助成金)で過去6年間に採択された事業の内、助成期間を終了した事業を、助成した新規事業の立ち上げに成功したかどうかの観点で分類すると、次のようになります。
この図は、過去6年間で助成し、助成期間を終了した22事業について分類したものです。成功か否かは私の印象として判断していますから、厳密な内容ではありませんが、おおよその傾向を知ることはできます。
技術・ノウハウも市場もよく知っている分野での新規事業が最も成功確率が高いことは明らかです。逆に、未知の市場に進出することの難しさもわかります。
これら22の事業は、書類審査、面接審査というスクリーニングを経ています。ですから、ビジネスプラン的には一定水準以上であり、助成金やハンズオンサポートなどの手厚い支援も受けています。
それでも新製品や新サービスで新しい市場を開拓するのは困難だということです。
今回は、少し話が脱線しましたので、次回、事例の続きをお話しします。