新規事業を支援する補助金の活用法・失敗しない方法と活用事例のお話しをしています。
ちいさな企業における新規事業の方向性として、最も成功確率が高いのは、既存の技術やノウハウを活用して、既存のお客様に提供するという、いわゆる「市場浸透戦略」です。
大阪府北部、能勢町で創業300年を越す能勢酒造さんの桜川サイダーはこの戦略から誕生したことは、ちいさな企業の補助金活用法(6)でご説明しました。
この新製品の立ち上げを助成金で応援しました。前回のお話しはここまでですので、今回はその続きです。
さて、公的な補助金は必ず明確なミッションを持っています。能勢酒造さんが活用されたおおさか地域創造ファンド地域支援事業助成金の場合には、
「活力とにぎわいあふれる地域づくりを目指す」ために「技術や人材、歴史、伝統など地域の資源を活用した新しい事業であり、地域の中小企業に広く波及効果を与えるなど、地域活性化に資する事業」の事業化を支援する
というミッションがあります。したがって、単に「サイダーつくりました」で終わってもらっては困ります。それでは、地域資源の活用という点で弱い。ということで、地域の資源とのコラボがスタートしました。
きっかけは、既存商品で繋がりがあった酒販店さんとの連携です。このお店のおかみさんは絵がとってもお上手です。エッセイ画集を出版されたりするほど。ご自身の画を絵はがきとしてお店で販売もされています。
このお店がたまたま箕面の滝道にあることから、おかみさんの箕面の滝の画をラベルに使った桜川サイダーを試験的につくりました。
「箕面限定」とあるように、この酒販店さん向けオリジナルサイダー、OEMのようなものです。春先から秋にかけて、みのお大滝までハイキングされる方には、なかなか人気の商品となったようです。
こうして地域との関わりをもったことが、サイダー事業のさらなる発展につながったのです。
そのお話はまた明日。