「良い会社にする5つの方法」の続きです。
良い会社にする5つの方法(その1) →?公募助成金を活用する
良い会社にする5つの方法(その2) →?認定を受ける
良い会社にする5つの方法(その3) →?事業計画をつくる
良い会社にする5つの方法(その4) → CSRに取り組む
5つの目の方法をお話しします。
5.知的資産経営報告書をつくる
知的資産経営報告書をご存じでしょうか。「知的資産」とついていますので、「特許」などを連想するのですが、特許に留まらず、あなたの会社の利益を生み出している「目に見えない資産」を総称しています。
分かりやすくご説明しましょう。
自分や家族などからの出資とこれまでの利益の積み上げである「自己資本」及び銀行からの借り入れを主とする「負債」によって調達した資金で、事務所や工場を用意し、社員を雇い、商品や原材料を仕入れ、広告宣伝して販売する。
さらに、販売代金を回収し、給与を支払い、仕入れ代金を支払い、金利を払い、税金を払う。こうした数多くの活動の結果として、あなたの会社は利益を生み出しています。
利益の源泉は、調達資金であり、その資金の運用状況にあります。これを表すのが、貸借対照表でした。
それはそうなのですが、実は、貸借対照表には重要な資産があがっていないのです。それは何でしょうか?貸借対照表の資産に計上されていない重要な資産とは?
儲けている社長様とお話しすると、参考なることが多い。
私「なぜ、そうするんですか?」
社長様「それはな、○○やからや」
私「ああ、なるほど」
コンサルタントとして甚だ勉強不足の誹りを免れませんが、実際こういうことが多いです。
そして、社長様がご説明くださる内容が、実はその会社の競争力の元になっているのです。「ノウハウ」といえばそうですが、もう少し複雑な要因が絡み合い、その会社の生い立ちや取引先との関係性の中から生み出されてきたものです。
この他にも、職人さんが持っている技術なども、貸借対照表には計上されてませんね。また、「○○といえば○○」と地元で名が通った製品をお持ちの場合、こうしたブランドも計上されていません。
熟練工の技術力やブランド力も、利益の源泉のはずです。
こうした貸借対照表にのっていない、目に見えない資産に光を当て、それを社内外に積極的にPRすることで、会社を良くするツール、これが「知的資産経営報告書」です。
「知的資産経営報告書」は、自社の強みが何で、それがどのように生み出され、顧客価値にどのように活かされているのか、そして今後その強みをどのように活用して新たな価値を生み出そうとしているのか、こうしたことをまとめたものになります。
「経営戦略」というものが、他社との違いに立脚するとしたら、「知的資産経営報告書」は、「我が社の経営戦略」を分かりやすく説明するものといえるかも知れません。
その意味では、「事業計画」と表裏一体の関係にあるでしょう。
ただ、「事業計画」が社外秘扱いなのに対して、「知的資産経営報告書」は、「公開」を前提に作成しますので、「何をどこまで盛り込むか」の違いはあります。
作成マニュアルも国が用意してくれていますので、これらを参考に、あなたの会社の「知的資産経営報告書」を作成し、社員や取引先に配布し、会社説明会で入社希望者にも配布してみてください。
きっと、その反響にびっくりされることでしょう。
自社の強みを伸ばす。会社を良くする原則です。
「知的資産経営報告書」を作成して、良い会社にしていきましょう。