採択される補助金申請書の書き方について、同名タイトルの書籍『採択される補助金申請書の書き方(強み経営シリーズ1): 小さな会社の補助金活用法』から、エッセンスをご紹介します。
やりたいことを補助金にマッチさせる
採択される補助金申請書の書き方②で確認した「補助金の目的」や「補助対象事業の内容」に、採択される補助金申請書の書き方①で確認した「あなたがやりたいこと」をマッチさせます。「補助金の目的」や「補助対象事業の内容」は、理念的、抽象的に書かれています。このため、文字通りに解釈すると、あなたのやりたいこととはまったく合致しないかも知れません。「わたしには関係ない」から補助金に応募しない、ということになります。
たとえば、わたしが長年携わっている「おおさか地域創造ファンド 地域支援事業助成金」の場合には、補助対象となる事業、応募できる事業は、「地域資源を活用した新たな事業」です。では、あなたがやるべきだと考えている取り組みは、この要件に合致しますか? おそらく、ほとんどの場合、「地域資源を活用」というところに違和感があるのではないでしょうか。
地域資源なんか関係ない?
地場産業といわれる業種を経営されていたり、NPO などでソーシャルビジネスに取り組まれていたり、レストランや食品メーカーなどで「六次産業化」を意識されていたりしない限り、「地域資源」といわれても、ピンとこないのではないでしょうか。ですから、最初から自分に関係ないと考えて、補助金の説明会に行こうという気にもなりません。あなたが特に取り組みたいことが何もないのであれば、かまいません。しかし、もしあなたが、何か新たな取り組みをやろう、課題解決のためのアイデアがある、というのであれば、たいへんもったいないです。
なぜなら、この助成金では地域資源を非常に幅広く捉えているからです。極端に言えば、「あなたの会社が何らかの特徴なり強みを持っていれば、それはその地域の資源である。」この助成金ではこのように捉えています。ですから、表現の仕方に工夫は必要ですが、新たな取り組みのほとんどは、応募できる事業に該当するはずです。
後出しじゃんけんはNG
このように、「補助金の目的」や「補助対象事業の内容」を読んで、「この補助金は、我が社には関係ない」と簡単にあきらめないことです。しかし、補助金が公募され、公募要領で「補助金の目的」や「補助対象事業の内容」を確認してから、やることを考えはじめる方があります。応募条件が提示されてから、それに合うような事業を考える。このようなアプローチです。これって、一体、何なんでしょう? 「補助金をもらう」ということが目的になっていませんか?
補助金は、あなたのやりたいことをやるための手段であって、補助金のために何かをやるというのは、手段と目的が入れ違っています。補助金に採択されやすい事業を考え出して、それで補助金をもらえたとしても、そもそもその事業をやる意味がないのであれば、まったく無駄な取り組みです。ですから、そうならないように、「やりたいこと」があることが補助金活用の前提となります。これは、採択される補助金申請書の書き方①で強調していることです。
やりたいことは採択されやすい
その「やりたいこと」を「補助金の目的」や「補助対象事業の内容」にマッチさせるには、どのような点にフォーカスすればよいか、こう考えてください。「地域資源を活用」が要件であれば、あなたのやりたいことの中に、地域資源要素はないのか? を考えてみましょう。ある程度強引に結びつけるくらいで丁度いいです。相当隔たりがあるとしても、モノはいいようです。屁理屈だといわれるくらい幅広く考えてみましょう。
そもそも補助金があろうとなかろうと「やるべきこと」なのですから、応募しましょう。補助対象になるかならないか判断するのは、補助金事務局です。あなたが勝手に「これはダメ」と判断する必要はありません。あなたが「やりたい」「やるべき」と普段から考えていることは、あなたの事業にとって必要性・必然性が高いはずです。「必要性・必然性が高い」事業は、補助金に採択されやすいですから、有望な「ネタ」なのです。応募を簡単にあきらめず、どのように考えたら、やりたいことを補助金にマッチさせられるか、検討してください。
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