採択される補助金申請書の書き方⑤

  1. 採択される補助金申請書の書き方① 日頃からやるべきこと、やりたいことを意識しておくこと
  2. 採択される補助金申請書の書き方② 補助金の公募が開始されたら、公募要領を確認すること
  3. 採択される補助金申請書の書き方③ 補助金の目的や公募事業にやりたいことをマッチさせること
  4. 採択される補助金申請書の書き方④ やりたいことについてしっかり調べておくこと

をご説明してきました。なお、これらの内容は、わたしの著書『採択される補助金申請書の書き方(強み経営シリーズ1): 小さな会社の補助金活用法』に詳しく書いていますので、よろしければご参照ください。

何度応募しても落とされます

この場合の一番考えられる原因は、会社の財務状況の悪さです。大きな繰越損失があり、債務超過になっているような場合です。補助金の応募書類として、二期分くらいの決算書の写しの提出を求められることが多いです。決算書は、補助事業を行うだけの資金的な余裕があるか、経営が行き詰まるようなリスクはないか、こうしたことを判断するのに利用されます。

債務超過だと、基本的に銀行からお金を借りることができません。直近の損益計算書で大きな黒字でも計上できていないと、貸借対照表の現金・預金も少ないでしょうから、新たなことに投資するお金がありません。補助金は原則精算払ですから、キャッシュアウトが先です。それなのに、貸借対照表の「現金・預金」の残高が補助事業の投資額にも満たない、純資産の部はマイナスになっている、損益計算書の営業利益が赤字、こんな状況ではまず採択されません。

ここまで極端に悪くなくても、二期連続赤字とかであれば、繰越利益剰余金がたくさんあるとかでないと、補助金審査員の評価は厳しくなるのではないでしょうか。このあたりのことについては、強みの価値を評価するという記事に詳しく書きましたので、そちらもご参照ください。

採択されるにはどうしたらよいか

なかなか厳しいですね。社長のポケットマネーを使って増資できればいいですが、普通はそれも難しい。経営改善計画なり経営革新計画なりを作成して、銀行から融資してもらい、現金・預金残高を申請する補助金額の倍ぐらいにはしておく。これもハードルはとても高いです。

こう言っては身も蓋もないですが、補助金で新たな事業のチャレンジする以前に、自社の財務状況を改善する取り組みを行った方がよい場合が多いです。でも、既存事業が落ち込んで、新たなことをやらないと行き詰まる。こういう切羽詰まった状態だと、よけいに補助金に採択されにくい。お金が本当に必要なのに補助金がもらえないという皮肉な結果ですね。

誰を恨むわけにもいきません。経営者はあなたですから、これはあなたの責任です。会社をたたむか、命がけで経営を再建するか。あなたの覚悟をみせてください。

おやおや、補助金に採択されやすい方法をお話しする予定が、思わぬ展開となってしまいました。経営が厳しい会社が補助金を活用するのは、これくらい難しいとお考えください。

採択される補助金申請書の書き方

それでも補助金が欲しい、ということになると、補助事業のために投資するお金をあらかじめ確保できるということを、審査員に納得してもらう必要があります。銀行から融資の約束をもらっているとか、やろうとする補助事業で確実に利益が出せる具体的な根拠を示すとか、審査員の頭の中にある「この会社大丈夫?」という疑念をたたきつぶすつもりで、あなたが補助事業を確実に行え、その結果利益が出せることを、資料や証拠で裏付けてください。

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