補助金申請書をどのよう書いたら採択されるのかについては、わたしの『採択される補助金申請書の書き方: 小さな会社の補助金活用法』をご参照ください。この本では、「採択されるには、「社長の思いや自社の課題」というテーマを公募要領に合わせて加工する必要があります。そして、加工する時には、2つのことを意識しなければいけません。それは、審査基準を踏まえることと、隠れた「問い」を意識するということです。」と書いています。
これを踏まえて「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書の作り方について、考えてみたいと思います。必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法①では、審査項目の確認についてご説明しました。その続きです。
審査項目を踏まえる
1.適格性については、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法①をご覧ください。今回は、技術面について確認します。
2.技術面
① 新製品・新技術・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイディアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。【公募要領】
これは、この補助金の目的である「国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援します。」を踏まえた観点ですね。
応募する類型ごとに、次の基準が設定されています。
革新的サービス
【革新的サービス】においては、中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法で行うサービスの創出であるか。また3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みであるか。【公募要領】
【革新的サービス】で応募されようとする方は、まず最初に中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインを一読する必要がありますね。がんばって、お読みください。その上であなたが取り組もうとされている内容は次のどれに該当するのか、あるいは該当させるのかを考えます。
非常に幅広く設定されていますので、およそどのような取り組みでも、必ずどれかに該当しますね。逆に、あれにもこれにもと当てはめると、記載内容が「意味不明」になりがちなので、どれかひとつにフォーカスした方がよいでしょう。
さらに、「3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組み」であることを、予測損益計算書を作成して裏付ける必要があります。ちなみに、「付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」です。なお、経常利益については損益計算書に記載されている経常利益ではなく、「経常利益=営業利益-営業外費用(支払利息・新株発行費)」と定義されていますので、ご注意ください。
事業計画書には、次のフォーマットが示されています。
ものづくり技術
【ものづくり技術】においては、特定ものづくり技術分野の高度化に資する取組みであるか。また3~5年計画で「付加価値額」「経常利益」の増大を達成する取組みであるか。【公募要領】
応募しようとする事業の内容が、次の技術分野のどれかに該当している必要があります。
- デザイン開発に係る技術
- 情報処理に係る技術
- 精密加工に係る技術
- 製造環境に係る技術
- 接合・実装に係る技術
- 立体造形に係る技術
- 表面処理に係る技術
- 機械制御に係る技術
- 複合・新機能材料に係る技術
- 材料製造プロセスに係る技術
- バイオに係る技術
- 測定計測に係る技術
こちらも、「3~5年計画で「付加価値額」「経常利益」の増大を達成する取組み」が求められていますので、予測損益計算書を作成する必要があります。革新的サービスのように「年率3%」「年率1%」という数値目標は示されてはいませんが、「増大」ですので、同程度の成果を示すのが良いでしょう。
もうひとつ「高度生産性向上型」という類型が残っていますが、それについては、次の記事で考えます。
補助金を有効活用するため
以下の記事もご参照ください。
やるべきコトが明確ですか? → 採択される補助金申請書の書き方①
公募要領を確認しましたか? → 採択される補助金申請書の書き方②
やりたいことを補助金にマッチさせる → 採択される補助金申請書の書き方③
3C分析はやりましょう → 採択される補助金申請書の書き方④
何度応募しても落とされる場合の対処法 → 採択される補助金申請書の書き方⑤
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