梅原清宏の強み①

あなたのUSPは何ですか?

強みを伸ばして一番になる経営、わたしはこれを「強み経営」と呼ぶことにして、商標登録しました。強み経営の核は「自社の強みを知ること」です。しかし、自社の強みを正しく知るにはという記事で書いたように、これが一番の難題だったりします。ピーター・ドラッカーも、「誰でも、自らの強みについてはよくわかっていると思っている。だが、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。(ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)」と書いています。

では、「そういうおまえは、自分の強みを知っているのか?」と問われたらどうでしょうか? 「USP」というマーケティング用語があります。USPとは、”Unique Selling Proposition” の略です。「独自のセールスポイント」「独自の立ち位置」などという意味です。これは、ある意味、「強み」に近い概念ですね。先ほどの問いは、「あなたのUSPは何ですか?」と同じです。

わたしのUSP?

「強みを伸ばして一番になる経営」を提唱しているわたしが、自分の強みをつかんでいない。これでは、紺屋の白ばかまです。そうならないように、わたしのUSPはこれだ、というものをあげておきましょう。わたしをよくご存じの社長さま、これで合っているでしょうか?

わたしは中小企業診断士です

2016/1/12付日本経済新聞朝刊の記事によると、取得したいビジネス関連資格のトップが「中小企業診断士」だそうです。わたしも中小企業診断士です。でも、中小企業診断士はお勤めになっている方には人気ですが、中小企業の社長にはそれほど人気があるわけではありません。たとえば小規模企業白書2015年度版には、フリーランスの方が「実際に受けたことがある相談先・支援先」についてのアンケート結果が掲載されています。引用します。

出所:小規模企業白書2015年度版

これをみると、相談したことがある先で士業のトップが「税理士・会計士」で4%。これに対して中小企業診断士はわずか0.1%です。税理士の40分の1です。

それで、何?

つまり、わたしの主なクライアントである中小企業経営者にとって、わたしが「中小企業診断士」であることは、「それで、何?」という状況にちかいのです。USPにはまったくなり得ません。もっとも、アンケート対象が「フリーランス」ですので、中小企業経営者とは一致しませんが。

中小企業診断士の半数は企業内

中小企業診断士は「経営コンサルタントの国家資格」といわれることがありますが、経営コンサルタントは、中小企業診断士の資格がなくても、だれでも業として行えます。業務独占資格ではありません。このため、中小企業診断士として登録されている方のうち、わたしのように独立・開業しているのは28%に過ぎませ ん。登録者の四人に一人程度です。一方、登録者の約半数が一般企業や金融機関にお勤めだそうです。

わたしは起業家です

し たがって、中小企業診断士として独立・開業されている方のほとんどの方は、企業や金融機関にお勤めの後、独立されています。定年後に開業される方も多いです。大企業出身であったりすると、それが不思議と結構売りになったりします。それをUSPとされている診断士が多いです。

一 方、わたしは大学卒業後すぐに起業し、この会社の前身である有限会社教育工学研究所を設立しました。若くして起業し今日まで経営を続けている。ですから、 わたしは自分のことを起業家だと思っています。起業家であり診断士である。これがわたしのUSPであり、強みだと思っています。

事業承継と並んで、中小企業施策の大きな課題は、起業率の向上です。特に若い方の起業をどう促していくかは、大きなテーマです。最近は主婦の方で、起業する方も多く、女性起業家に注目が集まっていたりします。わたしも、自分自身は起業家であると思っていますので、起業家支援にも力を入れています。

→ 梅原清宏の強み②

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