必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法⑥

補助金申請書をどのよう書いたら採択されるのかについては、わたしの『採択される補助金申請書の書き方: 小さな会社の補助金活用法』をご参照ください。この本では、「採択されるには、「社長の思いや自社の課題」というテーマを公募要領に合わせて加工する必要があります。そして、加工する時には、2つのことを意識しなければいけません。それは、審査基準を踏まえることと、隠れた「問い」を意識するということです。」と書いています。

これを踏まえて「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書の作り方について考えています。審査項目の「1.適格性」については、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法①でご説明しました。また「2.技術面」の革新性について、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法②で「革新的サービス」と「ものづくり技術」について、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法③で「高度生産性向上型」という類型について確認しました。また、「目標に対する達成度の考え方」という審査項目については、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法④で説明しました。隠れた「問い」を意識することについては、必勝!「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請書作成法⑤で確認しました。今回は、審査項目の事業化面について説明します。

補助事業の目的と審査項目の関係に注意する

本補助事業の目的を確認しておきましょう。

国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援します。(【公募要領】)

これと審査項目がどう関係するのか。これが、隠れた「問い」を意識するということです。審査項目の(3)事業化面で具体的にご説明しましょう。(3)事業化面の審査項目は次のとおりです。

(3)事業化面

① 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。
② 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
(【募集要項】)

認定支援機関を適切に位置づける

この補助金の特徴のひとつに、「認定支援機関と連携して」という要件があげられます。先に確認した補助事業の目的に明記されています。要件ですから、それを明確にしておくことが望ましいです。では、どこにそれを明示しますか。それに最適なのが「①事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)」でしょう。ここに、認定支援機関がどのように関与するのか、連携するのかを書いておきましょう。

最近の財務状況等

これは、一緒に提出する直近2年間の貸借対照表、損益計算書から判断されます。直近で大きな損失を出して債務超過に陥っているような状況だと、「補助事業を適切に遂行できると期待できるか。」という評点は、高くはならないでしょう。「債務超過」だから応募できないという要件はありませんので、チャレンジすべきですが、投資資金をどのように調達可能なのかにつじては、「①事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)」で詳しく説明しておきましょう。

市場ニーズを考慮するとは

審査項目の②は、補助事業の目的「国内外のニーズに対応した」を反映したものです。プロダクトアウトではなくマーケットインのアプローチが求められています。補助事業が寄与するユーザーが、だれで、どこにどれだけいて、そのうちのどのくらいを獲得するのか、数値データを踏まえて説明しましょう。

なぜユーザーを獲得できるのですか?

審査項目の②を踏まえて、ニーズとその市場規模を明確にしました。しかし、そのようなニーズがあり、市場があるのであれば、その市場を狙うのはあなただけとは限りませんね。ほとんどの場合、ライバルがいると思います。競合するサービスや製品の存在です。ライバルがいるにも関わらず、あなたがユーザーを獲得して利益を増大できる根拠は何ですか?この問いに対するあなたの回答の説得力の有無が、補助金採択を決めるといっても過言ではないと思います。審査項目③はとても重要です。

補助事業の成果により、ライバルと比較してどのような優位性や収益性を生み出すのか? 読み手が納得できるだけの証拠を挙げて、説明してください。そのためには、ライバルの調査が不可欠です。ここを「これまでにないサービス」と一言で片付けると、採択は難しいでしょう。このような申請書を非常に多く見かけます。何の根拠も示さずに、「ない」と言い切るのはとても危険です。

審査項目の②と③は、事業計画書の柱ですから、しっかりと書き込み、何度もブラッシュアップしましょう。

補助金を有効活用するため

以下の記事もご参照ください。

やるべきコトが明確ですか? → 採択される補助金申請書の書き方①

公募要領を確認しましたか? → 採択される補助金申請書の書き方②

やりたいことを補助金にマッチさせる → 採択される補助金申請書の書き方③

3C分析はやりましょう → 採択される補助金申請書の書き方④

何度応募しても落とされる場合の対処法 → 採択される補助金申請書の書き方⑤

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